最近ペットとして人気になってきているエキゾチックアニマル達。
その中でもぬいぐるみのような見た目の可愛さで虜になる人が続出中のチンチラ。
犬や猫のようにメジャーなペットではないので、飼育方法が分からずペットにするのを諦めてしまったという人もいるのではないでしょうか。
また調べたものの難しそうだから止めたという方々も多いかもしれません。
チンチラは「神経質」というイメージが強いかもしれませんが、コツさえ掴めば簡単に飼うことのできるペットです。
今回はチンチラの飼い方を詳しくご紹介していきます。
チンチラの生態
チンチラの原産国はチリで、標高400~1,650mの地域に生息しています。
もともと涼しい地域で生活していた動物なので、高温多湿は苦手です。
体長は25~35cm、体重は420~600g、運動能力が優れていて大人になると1mほどの高さを飛ぶ個体もいます。
寿命は10年~15年と小動物の中では比較的長生きです。
チンチラは夜行性なので夜中にケージ内を走り回り、昼間は寝ていることが多いです。
寝室にケージを設置すると夜中に騒音で起こされてしまう可能性があるので、音に敏感な方は別の部屋にケージを置くようにしましょう。
チンチラは鳴きますが、かなり小さい声で鳴くので近所迷惑になる可能性は低いです。
とはいっても怒った時の声やオスが発情したときの声などはそれなりに大きな鳴き声なので注意しましょう。
チンチラはあまり病気をせず、丈夫な生き物と言われています。
しかしその一方でストレスにはとても弱くちょっとしたことで体調を崩してしまいます。
飼育環境が変わったり、生活リズムがズレたり、部屋の温度が合わなかったりと些細なことで体調が悪くなる可能性があるので注意しましょう。
チンチラはどんなものでも齧ってしまいます。
プラスチック製品、壁紙、柱、コード類などなど、あげればきりがないくらいです。
そのなかでも特にコード類は感電する可能性がとても高いので、齧られないようにしっかりと対策をしておきましょう。
飼育する際に必要な用品
チンチラを飼うためにはたくさんのものが必要になります。
「なんでもいいや」と適当に揃えるのではなく、ペットや飼い主さんの使いやすいものを選ぶようにしましょう。
ケージ
チンチラは成長すると体長30cm程度になり立体運動をします。
昼間は大人しく寝ていたりしますが、夜間はかなり活発に行動するので高さのあるケージが必要です。
幅60cm奥行50cm高さ70cm以上の物を選びましょう。
ステップ
ケージ内に設置することで足場として使用してくれます。
また、ステップ上で休んだりすることも多くチンチラを飼うのなら必要な用品です。
スノコ・樹脂製マットなど
ケージの中に敷くものです。ケージを購入するとセットでついているものですが、大体が金網のものになります。
チンチラの足は小さくて細いので挟まるとケガをしてしまう恐れがあります。
なのでスノコや樹脂製マットなどチンチラの足が挟まらないようなものに置き換えるとよいでしょう。
巣箱・隠れ家
チンチラが落ち着ける場所として使います。
チンチラの住居スペースはケージの上部になるので上に取り付けられるタイプを選びましょう。
ちなみにケージの下部は行動ペースになります。
回し車
運動不足にならないために入れてあげます。
その際に回し車の上下に大きめの隙間を作るとその隙間にチンチラが入り込みケガをすることがあるので、設置する場所はしっかりと考えましょう。
砂浴びケース
チンチラはシャンプーなどが必要ない代わりに、砂浴びをして皮膚を綺麗に保ちます。
一日に最低でも10分は砂浴びをさせてあげる必要があります。
砂浴び用ケースをケージ内に設置しておいてもいいのですが、チンチラがケース内でおしっこをしてしまうとその度に掃除しなければならなくなるので注意してください。
ケージから出して部屋の中を散歩させている時に砂浴びをさせるという方法はオススメです。
浴び砂
砂浴びをするために必要な砂です。
チンチラの毛は細くて密に生えているので、細かい砂でないといけません。
ショップにはチンチラ専用の砂が売っているので必ず専用のものを購入しましょう。
ヒーター
冬場にはあったほうがいい用品です。
チンチラは寒さに強いと言われていますが、15℃以下の温度になると体調を崩し肺炎などになる可能性があるので15℃以下になるときにはヒーターを使用しましょう。
その際チンチラが噛んでも大丈夫なように対策のできている商品を選んでください。
餌
主食は牧草(チモシー・アルファルファ等)です。補助食としてチンチラ専用のペレットをあげてください。
チンチラは野生では粗食の生き物ですのでおやつのあげすぎには注意しましょう。
餌入れ
餌入れはペレットを入れるためのものです。
主に陶器製のものとプラスチック製のものがあります。
陶器は汚れが落ちやすく齧られる心配はありません。プラスチック製は固定できるタイプが多いですが、齧られやすいので注意しましょう。
牧草入れ
牧草入れは牧草を入れておくためのものです。
陶器製、プラスチック製、かじり木タイプに分かれています。
陶器製は掃除しやすく齧られ難いのでおススメです。プラスチック製は齧られる可能性があります。
かじり木タイプはチンチラがかじり木としても利用するので、不正咬合対策になります。しかし物によっては2週間程度で破壊されることもある消耗品なので注意しましょう。
水入れ
水入れはノズルタイプを使用してください。
容量は150ml~300mlあれば大丈夫です。必ず犬猫用ではなく小動物用を選びましょう。
かじり木
かじり木はケージに取り付けるタイプと取り付けないタイプがあります。
ケージに取り付けるタイプだとそこを足場にしてピョンピョン飛び回ることも多いです。
ストレス発散や不正咬合の防止にも繋がりますので、かじり木はケージ内に一つは入れておいてあげましょう。
お世話の方法
餌は毎日2回あげましょう。牧草は常に食べられるようにしておきます。
ペレットのあげすぎは肥満に繋がりますので適切な量をあげてください。
水は毎日取り換えます。飲み残しがあっても新鮮な水に入れ替えましょう。水は水道水で大丈夫です。
チンチラは大量にウンチをしますのでケージ下のトレイ部分は毎日掃除してください。
合わせてケージ内に落ちている牧草を捨てましょう。落ちている牧草にはおしっこがかかっていることがあり、チンチラがこれを食べるとお腹を壊してしまうことになりますので必ず捨ててください。
毎日30分~1時間程度ケージから出して部屋の中を散歩させてあげましょう。
散歩の際はチンチラから目を離さないようにしてください。
目を離した隙にコード類を齧って感電したり、高い場所から落ちてケガをしたりする可能性があります。
危険な場所はサークル等を使って近づかせないようにすると良いでしょう。
月に1回はケージを丸洗いします。おしっこが飛び散っていたり、砂がたくさんついていたりするのでしっかりと水で洗ってください。
チンチラを飼う際のコツ
温度管理はしっかりと!
チンチラの適温は18℃~25℃です。
25℃を超えると熱中症になる可能性があります。また、15℃を下回ると肺炎になったりすることがあるので注意してください。
チンチラは湿気に弱いため湿度は40%以下が理想です。
ケージ周りの環境に気を付けよう
チンチラはストレスに弱い生き物です。
ストレスを与えすぎると体調を崩し、最悪の場合死に至る可能性も考えられます。
ケージの周りにテレビや大きな音の鳴るものを置いていたり、ドアの近くなど隙間風が入る場所にケージを設置してはいけません。
昼間にぐっすりと眠れる場所にケージを置いてあげてください。
おやつの与えすぎに注意
おやつをあげすぎると、主食である牧草を食べなくなってしまうことがあります。
牧草を食べなくなることで不正咬合を発症する可能性が高くなり危険です。
さらにおやつの食べすぎによって糖尿病などの病気になることもあります。
おやつを食べているチンチラはとても可愛いですが、ほどほどにしておきましょう。
過度なスキンシップは厳禁!信頼関係が築けてから徐々に!
飼い始めはどうしても触りたくなるものです。
しかしチンチラは基本的に触られることを嫌います。
特に信頼していない相手に触られると怒って噛んでしまうこともあり、無理矢理触ることはやめましょう。
触られることがストレスになり、体調を崩してしまうこともあるので飼い始めの1週間はできるだけ触らずにお世話だけをして信頼関係を築きましょう。
飼い主に慣れてくれれば徐々に触らせてくれるようになります。時間をかけて距離を縮めていくことが大切です。
毎日忘れず散歩をさせよう
チンチラにとって散歩はとても重要なことです。
毎日同じ時間にケージから出してあげられるのが理想ですが、なかなか難しいと思いますので「ご飯を食べた後」「お風呂からあがった後」などルーティンにすることで忘れにくくなります。
まとめ
チンチラはストレスにさえ気を付けていればそんなに難しいペットではありません。
匂いも少なく鳴き声も小さいため、マンションなどで飼うにはぴったりなペットです。
可愛らしい外見にアクティブな動きは見ていて飽きることがありません。
ぜひ皆さんもチンチラと一緒に暮らしてみてください。